令和2年度教員養成機関等との連携による小学校外国語の専門人材育成・確保事業(第4回講座)
本講座は令和2年10月から12月にわたり、全5回実施しました。下記は第4回講座アーカイブになります。
第4回講座 12月16日(水)15:00~16:30
学習指導と評価
J-SHINE 理事(玉川大学大学院名誉教授・特任教授)
佐藤久美子
講座内容
小学校外国語科・外国語活動における指導と評価の在り方について、具体的なActivityや児童の発表内容に基づきながら理解する内容とする。講座の中で、講師と受講者とのやり取り(Activity)も一部行う(講義+ワークショップ型)。
講座前のタスク
『イラスト図解 小学校英語の教え方 25のルール』(講談社)佐藤久美子著 を読んでください。
多角的な視野から評価を行うことの大切さと、その実践例について理解し、他にどんな評価の場面があるか、考えてください。
講座アーカイブ動画
講座書き起こし原稿
講座中に使用した資料
講座後のタスク
Do you have ~? Yes, I do./No, I don’t.
この目標表現を教えようと思う時、どんな必然的な場面を考えることができますか?
具体的な場面、Activity、発表の様子を具体的に考え、同僚と話し合ってみましょう。
常に、言語活動と場面を意識しながら、Activityや発表スタイルを決めましょう。
そして、併せて評価の基準についても考えましょう。
講座実施後のリフレクションシートにおける質問と回答
5年社会の日本の地形クイズの実践例について説明いただいたが、実践例の9時間の時間配分について、英語と社会をどのぐらいの配分にしたらいいのでしょうか。
調べる時間⇒社会、英語に変換・発表⇒英語、という認識でよいでしょうか。
はい、ご認識いただいた通りです。実際に地形や産業について詳しく調べる授業は、1時間社会で行っています。
その後、英語の授業で、辞書を使って英語の文に変換したり、発表の順番を考えたりして4ヒントクイズの原稿を作りました。そして、最後に発表については、同小学校の2年生に1時間を使って発表、次の時間には大学院生に1時間を使って発表しています。
そこで、合計9時間をかけていますが、本来は8時間で終わる授業と言えるでしょう。子供たちはとても楽しかった!と、喜んでいました。
今年度内に配布されるタブレットなどのデジタル教材を使ってペアやグループなどの発表を録画すると評価にも使えると考えていますが、そのような方法で見とることについてはいかがでしょうか。
良いアイデアだと思います。録画するための、必然性をまずは子供たちに与えます。例えば、「お世話になったALTの人に、最後の授業でDVDを見せてあげよう!」とか、「みんなの英語のスピーチを撮影して、この小学校に卒業記念に残していこう!」とか。動機づけがさらに高まります。
慣れてきたらアクセント、発音に注意させるというお話がありましたが、発音・アクセントについては、指導はするけど評価はしないというのが学習指導要領にあったと思うのですが、いかがでしょうか。
その通りです。また、最初からアクセントや発音を注意すると、自分の考えや思いを話してみよう!という気持ちが薄れます。また、流ちょうに話すなどは、小学校における外国語の目標ではありません。ただし、6年生などには、中学校に向けての準備をするのも良いと思います。
「英語は強弱のアクセントをしっかりとつけると、よく意味が通じるようになるよ。日本語は高低アクセントで、雨と飴のアクセントの位置が違うでしょう」というような話には、興味を持つと思います。自然とアクセントにも意識するようになるでしょう。
今回、いろいろな先生の質問からも勉強になりました。他の先生方の悩みをまとめたQ&Aのようなものがあると役に立つのでほしいと感じました。
ありがとうございます! 先生からいただいたこのご提案は、私にとっても大変良い刺激になりました。ぜひ、小学校の先生方からさらなるお悩みやアイデアを伺いなら、Q&A集を作りたいと思います。その折は、ぜひご協力ください。
いろいろな活動例がとても参考になりました。機会があれば活動例を教えていただきたいです。
ありがとうございます。先生からのこうしたご提案は、ぜひ活用させていただき、来年は、活動例を集めた本をぜひ書きたいと思います! 現場の先生方のお声も反映したいと思いますので、その折は、ぜひご協力ください。
また、今回のような研修の場をいただければ、さらに活動例をお話しいたします。
事後タスクでも、活動例を一つご提供させていただきますので、楽しみにしてください。
活動前に「ここまでできたら『A』だよ」などの評価基準の説明をすることは、良い成績をとるためだけに頑張る児童が生まれ、本質的に学習を楽しめる児童の減少につながってしまうのではないかと考えていたため、とても驚きました。事前に評価基準を説明しても構わないということですが、意欲の点で問題はないでしょうか。
今回は、評価については児童と共有する機会をもってほしいというのが、文科省からのご提案です。
中学校でも評価基準を説明する場面を見ましたが、どの生徒も、A評価を目指して頑張っていました。また、小学校では、「たくさん話せなくても、少なくてもこの2文が言えるようになればよくできましたのBだよ」と言ってあげるのも、ハードルを少し下げて、slow learnersにとっては安心の材料にもなると思います。
どちらの子供たちにも動機づけと安心感を与えられるので、意欲には問題ないと思います。
講師の先生が見せてくださったスライドを、もっとじっくりと見たかったです。
すみません、時間が限られていましたので、急ぎ足になってしまいました。
著作権などの問題もありますので、すべてをアップすることはできませんが、評価などの個所につきましては、26日にホームページにアップする予定です。