第10回講座|文部科学省委託 令和5年度明海大学との連携による専門人材育成・確保事業
第10回講座 授業研究⑦(前橋市)8月17日(木)9:00~10:30
講師 井熊ひとみ(J-SHINE理事 共愛学園前橋国際大学客員教授 育英短期大学非常勤講師)
担当区市(担当指導主事)
前橋市教育委員会 指導主事 戸塚 智子
概要
- 授業者氏名
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三輪 美鈴教諭
- 学校名
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前橋市立桂萱小学校
- 担当学年
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第3学年
- 使用教科書
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新学習指導要領対応 小学校外国語活動教材 Let's Try! 1(文部科学省)
- 単元名
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Unit4 I like blue.
- テーマ
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聞くこと・話すことの指導
- 講師
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井熊ひとみ(J-SHINE理事 共愛学園前橋国際大学客員教授 育英短期大学非常勤講師)
- 概要
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前橋市からは、授業テーマ「聞くこと・話すこと」で、第3学年の授業を提案します。児童に単元ゴールを明確に示し、意識させ、ゴールへ向かって何ができるようになるのか、児童自身が目的をもって活動に取り組めるよう工夫をしました。「めあてステップ」の活用で単元ゴールに向かって見通しをもたせることが、児童の外国語活動に主体的に取り組むことができることに有効であったか。また、『教師とのやり取り』が児童のめあてに向かう活動に有効に働いたか。2つのポイントについて、協議いただければと思います。
事前課題
授業動画
講座資料
講座アーカイブ動画
講座評価アンケートに寄せられた質問に対する回答
講師への質問
Q1
小学校では、英語の免許を持たない先生がほとんどです。今回の実践のように、流ちょうにスピーディーに授業や英語での指示やトークを進めることは難しいと、今回の実践で感じました。確かに、めあてステップなどは、とても参考になる手だてでしたが、授業の展開全体を見たときに、児童の差を差し引いても、授業者の差は大きく出てくると感じました。他教科の教材研究などもある中で、外国語に関する教材研究はおろそかになりがちです。そんな中でも、免許を持たない教員でも自信をもって授業に取り組めるよう、小学校での外国語活動や外国語科の授業のポイントとなることがあれば教えていただきたいとおもいました。(「これだけは抑えておけばOK」というものがあれば…)
A1
日々忙しい小学校の先生方にとって英語の活動や授業のための準備は負担感も大きいかと思います。学校内に専科の先生がいらっしゃるでしょうか。その先生を中心に校内研修を充実させていくことも先生方の自信につながると思います。文科省からは、「研修ガイドブック」という形で、かなり詳細な内容をHPに掲載しています。そうした資料を使って勉強をされることも必要かと思います。授業で使う英語については、よく使う指示語などは、先生方に学んでいただくしかありません。ただ、高度な英語を使わない小学校の英語授業で、使われる英語は限られています。ぜひ、少しずつ使いながら慣れていっていただきたいと思います。
ひとつ、提案ですが、先生のご質問に対してお伝えできることとして、「自信をもって授業に臨める・授業のポイント」という視点からは、もしこの単元を日本語で行うとしたらどのような道筋をたてることができるでしょうか。その道筋が児童の皆さんにとってゴールへと向かっていけるでしょうか。最初に何をするか、どのようにこの単元でゴールへ向かうか、そのためにどんな題材を使うか、その導入には何を使うか、などを考えた時に、英語の授業も同じような考え方ではないか、と思います。
それを英語でそのまま伝えるために、語彙の選択、簡単な英語にするための表現、そこに
ハードルがあるかもしれません。その点を英語専科の先生や、研修ガイドブックなどの資料を使って言葉を知らない子どもたちに与える方法を考える。
母語のように相手が言葉を理解できているわけではないので制限があります。つまり、
相手は、英語では小さい年齢の言葉を習得する過程(母語の習得期)にいる子どもたちだ、ととらえ、その場合どんな言葉を選ぶか、何をヒントにするか、などを考えていただければイメージがつきますでしょうか。実際には、年齢は高学年になれば発達段階がかなり異なるとは思いますが言葉の学びにおいては、初歩です。そのような視点で考えてみるのもひとつの手立てになろうかと思っています。複雑にはしない、同じような表現を使って子どもに気づきを与える、そして説明しきれないと思う時には、簡単な英語に変えられるステップを考える、手がかかりになるような非言語表現や、教材を使って提示する、等が少しずつ積み上げていただくのが良いかと思います。
そして授業案や、その授業で扱った資料や、教材、アクティビティは記録をしておいて、
次の授業でも使えるように学校内で共有しておくことで、少しでも先生方が互いに助け合う事も可能かと思います。アクティビティ集などもまとめておくと、学校全体で参考にできますね。少し準備は大変ですが、結果的に先生方へのヒントにもなるかと思います。
授業者への質問
Q1
MESの先生はどのくらいの割合で入って授業をされていますか。
A1
本市では、全小学校において、週1時間の3・4学年の外国語活動にMESが入るよう配置をしています。MESは授業中は主担当の先生とTTを行います。また、授業準備のサポートも行います。ちなみに、ALTは5・6学年の外国語授業、週2時間のうち1時間に入れるよう配置をしています。各学校の実態に合わせて、ALTとMESの活用をお願いしています。