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第5回講座|文部科学省委託 令和5年度明海大学との連携による専門人材育成・確保事業

第5回講座 授業研究②(狛江市)7月26日(水)10:40~12:10

講師 石鍋浩 坂本純一(明海大学教職課程センター・地域学校教育センター 教授)

担当区市(担当指導主事)

狛江市教育委員会教育部指導室 統括指導主事 柳田裕司

概要
授業者氏名

福長あおい主任教諭 伊藤裕美教諭 真野朝子教諭  

学校名

狛江第二中学校 狛江第三小学校 狛江第六小学校

担当学年

小学校第6学年 中学校第1学年

使用教科書

小学校「JUNIOR TOTAL ENGLISH」 中学校「Here We GO!」

単元名

小学校「Lesson9 Who is this?」 中学校「Unit6 Cheer Up,Tina」

テーマ

小中接続

講師

石鍋浩 坂本純一(明海大学教職課程センター・地域学校教育センター 教授)

概要

狛江市では令和4年度から中学校区でのコミュニティ・スクールとしての取組を推進しております。今回は、狛江第二中学校の学区にある狛江第三小学校、狛江第六小学校の6年生を対象に、狛江第二中学校の1年生が自校の先生を英語で紹介する学習を展開しました。単元で育む資質・能力の育成だけでなく、進学先の先生を知ることによる進学への不安の軽減、英語を話す中学生への憧れをねらいとしています。小中連携についてお気付きの点や各地区の実践について、皆様方と協議を深めたいと思います。

事前課題

授業動画

講座資料

講座アーカイブ動画

講座評価アンケートに寄せられた質問に対する回答

講師への質問

Q1

小中連携した授業を行う際、中学校の学習進度に合わせた内容を小学校6年生向けに簡単に変えて授業することと、小学校において学習するような単語やセンテンスを用いて中学校で授業をするのかどちらがより効果的であるか、または小中連携授業の時間において簡単な単語を用いた中学生、小学生がALTなどを交えて交流をする場を設定する際に、気を付けるべきことやその他設定すべき課題等があれば教えていただきたいです。

A1

何よりも大切なことは、小学校での外国語科(英語)の授業は「中学校の学習を小学校に前倒しすることではない」ということです。このことを念頭に、小中連携の授業で行う言語活動を工夫したり、小学生、中学生が学ぶ内容を明確にしたりすることが必要です。
例えば、小学校で扱う言語材料を中心に言語活動を行った場合、中学生が入ることにより小学生同士での言語活動よりも発展的な言語活動を行うことができるはずです。このことは、小学生にとって、より充実したコミュニケーション活動を体験することになり、今後の学習への意欲付けにもつながります。
また、中学生にとっては「相手意識」をしっかりもつことになり、相手(聞き手、読み手、話し手、書き手)に配慮した英語を使用させることができます。聞き手を意識して表現を変えるなど、言い直しながら伝え合ったり、話す内容や話し方を工夫したりすることは、中学生のコミュニケーション能力を育成することにつながっていきます。
小学生、中学生がALTなどを交えて交流する場を設定する際に気を付けることは、日常の授業と同様に「目的・場面・状況」を明確にすることです。小学生も中学生も何のためにどのような状況でこの英語を使うのかということを理解して学習を進めることが大切なことは言うまでもありません。
また、ALTとやり取りをして「英語が通じた」という場面をできるだけ多く設定することも大切です。その際には、タイミングよく児童をほめることも忘れてはなりません。

Q2

小学校で学習していない英語を使うことについて何度かお話しされていましたが、ALTも未習語は話しますし、中学と連携していることもありますし、意味を説明していたら、良いのでは?と思うのですが?実際、doesは、doと同じ意味だよ、と説明している、と授業者は言っていました。
また、英語教師の英語のミスはどうでしょうか?以前、文科省の直山先生あたりは、間違っててもいい。とおっしゃってましたが、今回、例えばLet's question. と釧路市の先生は2度言ってましたが、いかが思われますか?
直接交流として、部活動紹介を兼ねてその部活動では何ができるのかcanを使用しながら紹介ができると面白いと思いました。

A2

1点目のご質問の回答です。小学校の未習語については、既習事項と比較させながら、その意味を推測させる程度に留めるのが適当と考えます。例えば、児童同士で ”What do you like, Sato san?” “I like music.” といったやりとりをさせた後に、テレビに映っている中学校の先生の似顔絵を指でさしながら”What does she like?” と児童たちに問いかけるといったように、既習事項に続けて提示することで、未習語の意味を推測させる指導はできるかもしれません。
2点目のご質問については、本来第4回講座への質問内容ですが、第5回講座に質問をお寄せいただきましたので、こちらで回答いたします。
動画を改めて確認したところ、釧路市の先生は、「ケリー先生にWhere do you want to go?と質問してください。」という文脈でPlease.(少し間を置いて) Question.とおっしゃっていました。
「どうぞ。質問してください。」という意味は文脈からわかると思います。
 本事例は「学級担任」ですので、間違いを恐れずに英語を積極的に使うモデルを児童に示すことがよろしいのではないでしょうか。
直接交流として、部活動紹介を兼ねてその部活動では何ができるのかcanを使用しながら紹介するのは、とても面白いアイデアだと思います。是非とも実践されてみてはいかがでしょうか。

授業者への質問

Q1

小学生は動画を見た後、感想等のフィードバックを中学生に返したのでしょうか。 また、ポスターを読む際、どの先生のポスターを読むか、児童は選ぶことができたのでしょうか。

A1

フィードバックは中学校に返していません。授業を行うのみで精一杯でした。できれば、小学生の反応を中学生につなぐとよいと思います。

ポスターはランダムに配布しましたので、児童が自分で選ぶことはできませんでした。時間内に、3~4枚程度のポスターを読むことができました。その後、読んだポスターを全体で共有しましたので、届いたポスター全てに触れたことになります。

Q2

打ち合わせは直接会って行いましたか?それともzoomなどでしょうか。

A2

A2 狛江市の「かけはしプロジェクト」という小中連携の会議で、直接打ち合わせを行いました。細かい日程の調整、生徒が撮影した動画等は、Microsoft teamsを活用しました。また、ポスターは直接、中学校から小学校に届けました。

Q3

中学校と小学校では単元の枠のとらえ方が違うため、リアルタイムで児童生徒同士が交流する時間をとることは英語のコマ数では賄えないのではないでしょうか。実現するためには総合などを活用する必要があると思います。

A3

A3 小学校の英語の時間では、教科書の内容を消化するだけでも苦労しています。担任の先生方に協力していただき、教科等横断的な取組を行えると、リアルタイムでの児童・生徒同士の交流も可能だと思います。中学校では、もしリアルタイムでの授業を行うなら、かなり早い段階で授業時間を設定すれば、英語科の授業としてもやることは不可能ではありません。